いただきます
朝、顔を洗いに洗面所へ行くと、シンクの中に活きのよい魚が泳いでた。
聞くと、私に食べさせたいと持って来てくださったらしい。
あ、きょうは湯普請(いぶしん)。用水路の水を止めて、水路の点検整備、掃除、草刈りを地区をあげて行う日だ。
数十年前、まだ区画整理がされてなかった頃の湯普請は、今とは意味合いが少し違って、大人は今年の豊作のための大切な準備の行事、私たち子どもには楽しい水遊びの行事だった。
大小さまざまな田んぼに張り巡らされた水路から水がなくなり、景色がガラッと変わる。
細い水路のどぼんこにでも、大きな鯉や見たことないウナギや小魚がうじゃうじゃたまっている。
早いもの勝ち。バケツとタモをもって田んぼのあぜ道を走り回る。
そんなのどかな一日だった。
この日私に届いた魚は、楕円の模様に赤い斑点、20cmはあるアマゴ。
美しい姿。
さっそく塩焼きにしていただいた。くせのないアマゴらしい味。冬を過ごしたからかしっかり脂がのっていた。
下水道が整備され、昔より水路の水が澄んでいる。洗剤の泡だったりバス◯リンの緑色の水をみることはなくなった。
きれいな水で育ったんだね。
アマゴさん、私のために生きてくれてありがとう。
命をいただきました。
名は体を・・・
今、家のまわりで野草を探すなら「あずきな」だね。
田んぼのあぜ道、小川のふち、毎年同じ場所に顔を出す。ご近所さんもこぞってあずきな摘みしてる。
こぞって摘むくらい、おいしい。私の野草ランキングだとトップ3確実。
軽く茹でて お醤油をかけただけのおひたしは、あずきな料理の王道。あずきな独特の香ばしさがいいんだな。
うちはお醤油といっても「地だまり」だけどね。この地だまりについては、私の食養生になくてはならないものなので、次の機会に。長くなるから。
薄めの天ぷらの衣で揚げるかき揚げもいける。衣に塩少々。
次。
太白ごま油で炒めて塩で味付け。
これは先ほど夕飯のおかず。
あと二週間くらいはたのしめるかな。
あずきなって、葉っぱは緑なんだけど茎が赤紫色。あずき色だからこの名前なんだね。
12cmと30cmの協力者たち
今年も家の前にたくさんのツクシがでてきた。幸い道路際ではないので今晩のおかずに。
袴とりがめんどうだけど、年に一回の行事だからね。頭と袴を取ると、12cmのまっすぐなモヤシみたいになって準備完了。
さて、いつもだと玉子とじにするけど、ほら私、食養生してるから玉子はNG。醤油糀で油揚げと煮浸しがいいかな。すりおろした長芋をトッピングしよう。
私の本当の楽しみはこれから。
ツクシが終わるとそこからスギナが出てくる。30cmに育った頃、これでね、手織り用のガラ紡糸を染める。
家の庭で大鍋にお湯わかして、スギナをグツグツ煮て色を出し、ガラ紡糸を入れてグツグツ煮る。染まる。
結構邪魔者あつかいされてるスギナだけど、きれいなレモン色をもってるんだよ。
玄関から十歩出ればあるこの環境。
春のチカラ丸ごといただきます。
微細な協力者たち
作ってみた。
材料は、無調整有機豆乳、自然栽培玄米。これだけ。
しかも作り方が私向き。ただ混ぜてヨーグルトメーカーなるもので保温するだけ。
訳あって食養生してるから、ヨーグルトは食べない。でも豆乳と玄米だもんねー、いつも食べてるもんねー。
混ぜるだけでほんとにできるの?って疑いを持っていてはできないらしいので、まずは心を込めて豆乳と玄米を混ぜ混ぜ…
微細な菌たちよ我が身を助けに来てちょうだい。クルクル、クルクル…
3時間ごとにヨーグルトメーカーにパックごと入れた豆乳を揺すってみる。ぴちゃぴちゃ…まだまだ。
ついに17時間後、ぷるんとした姿になってる。これが完成形、写真で見たのと同じ。
植物性の菌は生きて腸まで届くらしい。私の体のなかで力を発揮してね、と食べてみる。
味は豆乳。
でも見た目がうれしいんだね。これは、デザートのくくりにはいる。絹ごし豆腐じゃない。
さっき、パックの底に沈んだ玄米と、新しい豆乳を混ぜ混ぜしてヨーグルトメーカーに再びセット。
これから菌も私も成長します。